歴史とは何か 新版
19件の記録
- ちゃそす@1000book_zautusu2025年12月9日かつて読んだ17冊目。 歴史とは、現在と過去との対話である── What is History? この哲学的な問いに対する、イギリスの歴史学者カーの、歴史と向き合った積年の思いが籠った連続講演を文書化。 歴史に関する様々な意見、批判に対し、カーのユーモアな語り口で議論が展開されてゆく。 人は未来を見据えることで、初めて過去に関心を持つ。 書中でカーは歴史に関するあれこれを述べているが、中でもこれこそが歴史の本質なのだと感じた。科学に「自然を理解し、制御したい」という欲望があるように、歴史もまた「未来をより良いものにしたい」という願望のもと発展したのだろう。 科学を含む、技術の継承による人類の進歩は明らかで、これからもこのまま進み続けていく未来は簡単に想像できる。だが、それ以外のもの──カー曰く社会環境を制御し、より良いものにしようとする理性的な働きは本当に進歩していくのだろうか。 カーはこの理性的な力を信じていたようだが、私はそこまで楽観的でいられない。やはり、近年になってとうとう資本主義の限界が見えてきているからなのだろうか。 カーは一部のインテリだけが「歴史上の人物」であった過去とは違い、現代では誰もが「歴史上の人物」に成り得るとも述べていたが、それも本当にそうなのだろうか。私たちは、本当に「愚かな民衆」から抜け出せたのだろうか。 スマホやAIを使って文明人ぶっていたって、結局は昔と変わっていないのではないか。誰かが叫ぶ耳障りの良い声を頼りに暗闇の中をさまよっているだけなのではないか。 歴史を学ぼうとすること自体が、客観的に物事を見て未来を見据えようとする理性的な働きなのだとすると、自身も歴史の中の一人であるという自覚と共に歴史という灯りで照らしながら未来へ進むことで、人は「歴史上の人物」足り得るのだろう。
- こよなく@funyoi2025年10月23日読み終わった歴史関連の書籍を読むと、『歴史とは何か』からの引用をよく見かけるので、読む。 本書は大学での講演をもとにまとめられており、皮肉とパンチラインにあふれた文体には惹かれるので、本書からの引用が多いのも納得である。カー自身も講演の中で数多くの名句を引用しており、意識的に引用を多用してたのではないか。 第一講から第四講までは、歴史の見方や歴史と現在の関わり方が述べられている。 歴史とは、過去の事実を並べるだけのものではなく、現在から解釈を与えるものである。さらに、現在の解釈も過去の事実によって影響を受けるという相互作用がある。ただし、解釈を与える歴史家も社会的影響を受ける個人である。歴史を学ぶ際には、歴史家の背景を理解することが重要である。 また、偉人も社会の影響を受ける個人であり、歴史的事象は偉人一人によって起こされるものではない。その時代の意志を持つ多数の個人や大衆の影響が大きい。歴史と科学は近く、どちらも蓋然性に基づいた一般化を行う点で共通している。 というような内容が書かれており、非常に納得できた。 第五講以降は、歴史を通じて現在、そして未来について論じられている。 人間は自然から脱却し自意識を持つことで歴史を認識し、理性によって自然や社会を制御することが進歩であった。理性によって現在を疑うことこそが、進歩をもたらすのだと述べられている。 現在の世界が右傾化している状況について、カーなら皮肉を込めて嘆くだろう。「それでも世界は動き続ける」


樋辻翠/ひつじみ@hituji_midori2025年6月27日読み始めた実は旧版で何度も挫折してるんですが、今のところ新版は所々引っかかりつつも割と読みやすいので、文字の大きさって大事だな…という気持ちに…。














