
はれのき・ちゅうた
@harenokichuta
2025年10月24日
読み終わった
なぜ働いていると本が読めないのか?という著者自身の疑問を起点に生まれた本書。
そこから働くことと読書の歴史に目を向ける視点が面白かった。
三宅さんは、今すぐに必要のない知識や歴史的な文脈などはノイズとして忌避されていくようになったと述べている。欲しいのは情報のみ。映画を2倍速で見るような現象がそれを象徴している。
読書をする時間も余裕もないけれど、スマホでゲームをやる時間はあるという冒頭の出来事に繋がってくる。
この本の結論として、読書も労働も成り立たせるために全身全霊で働く社会から、半身で働く社会を目指すべきだと提案している。半分仕事でもう半分を趣味や家庭に。そんなことが許容される社会になればいい。
ただ現実は、仕事も家庭もどちらにも全身全霊を求められるようなことも多い。半身で働いて、残りの半分で趣味の読書をするなんて難しい。
とはいえ、この本を読むことはできたのだ。readsには本を読んでいる人がこれだけいるのだ。今だって本を読むことはできる。ちゃんと読めている。
そう考えて読書に対する希望が持てた本だった。


