
ウタカタ
@uta-ka-ta
2025年10月25日

らんたん
柚木麻子
読み終わった
教科書や歴史で学ぶ女性の教育者や運動家は、崇高な意思と強い精神で、ものごとを成し遂げたように描かれる。
でも実際には、たくさんの妥協をして、時には自分の中のダブルスタンダードを飼い慣らして、そして今という時代を作ったのだと思う。この物語はフィクションだけど、女子に教育はいらないとされていたことも、良き母になり銃後を支えるよう教え込まれたのも事実だ。そのなかで、いかに人間として生きるかを教育することは、決して簡単なことではなかったと思う。
教育の理念、というものの大切さは、教育を受けている時はあまりわからなかったのだけど、今になってわかる。
河井道や、一色ゆり、そしてたくさんの教育者たちが灯したらんたんを享受して、私は教育を受けることができたのだと思った。というか、男女共学が教育法に盛り込まれたのって戦後なんや。こないだやん。
良いシスターフッド小説だった。彼女たちが叶うように願った民主主義は、今叶っているだろうか。


