
めい
@meiji_chan
2025年10月25日
生殖記
朝井リョウ
読み終わった
発売日に買って、読みたすぎて1年以上寝かせていたのをやっと読んだ。「生産性のない側」として。「めっちゃいいと思うよ!」「時代だね〜」みたいな受容の言葉がしっくりこなかった感覚の「しっくりくる理由」がやっとわかった。ただ存在して選択してるだけなのになぜか「許される」ことに、私は怒っていたのかもしれない。
でも、社会的動物として仕事や家庭にコミットして貢献する選択も取っている自分の「ねばならない」は、もしかして生まれてから数年のうちに身についた後付けなのかも?じゃあ、個体としての私の希望って?あれ、樹みたいなこと考え始めてる…と、「物語に引き込まれるような素敵な作品」はよくあるけれど、朝井リョウ作品は物語の方から現実世界を侵食してくるのがとてつもなく気持ちいい。
エッセイ三部作を彷彿とさせるちょっとふざけたような語り口での長編小説、しかもゴリゴリの社会派。新境地だと思った。(だから三部作をあんなにいろんなメディアで推してたのかな)
すべての人が当たり前に選択できる世の中になりますように。

