はるのひ "すべて真夜中の恋人たち" 2025年10月19日

すべて真夜中の恋人たち
2年前に買って少しだけ読んで積読していた本。映画化されると知ってから手に取る頻度が増えてついに読了。長編小説を読めなくなって久しかったけれど、長編に向き合う筋力を取り戻せた気がする。恋愛小説を読んだのも久しぶり。 結末は予想外だったけど、好きな作品。どうしようもなくリアルだし夢のような美しさも感じるし、読んでいて冬子の気持ちが分かる部分もありチクチクと痛みも伴う。 「……みんながみんな、あなたの常識で動いてるって思わないでほしい」(P.337) 感性の違う相手から一方的にズケズケと否定されたり決めつけられたりした時に冬子が静かに発するこの言葉。すごく普遍的で当たり前のことだけど、この物語のこのタイミングで改めて言葉にされるととても強い光を放っていて、妙に感動してしまった。ここで救われる思いがする人も、ハッと気付かされる人も多いのではと思ったり。 心が本当にしんどい時に好きな人のことを思い出そうとする描写も、さっきまで目の前にいた好きな人の顔がうまく思い出せない描写も分かりすぎた。 映画も観に行きたいな。
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