こよなく
@coyonaku
2025年10月26日
うるさいこの音の全部
高瀬隼子
読み終わった
ヒリヒリする生焼けの痛みを味わいたくて、高瀬隼子さんの小説を読んでる。今作の主人公が作家であり、本が読まれることに感謝しつつも読者に抗議めいたのもあって、より一層ヒリヒリしました。
好き勝手にあれこれ言う周囲の声、相手に好かれようとする自分の声、そんな声に否定と反論を繰り返して答えもわからず悶々とする心の声が、うるさいこの音の全部。この音を消す方法が主人公にとっては物語を書いてる時なのかな。自分ならアルコールか。
周りにいい顔をしようとして都合を合わせていくうちに周りから生まれた知らない自分に侵食される恐怖。
後日談のタイトルが『明日、ここは静か』だから、全部黙らせて、書くことが出来るようになったのか、それとも明日への願いか。

