
雪餅
@yuki3daifuku
2025年10月26日

悪童日記
アゴタ・クリストフ,
堀茂樹
読み終わった
この本を偶然手に取って購入した過去の自分に本当に感謝したい、素晴らしい小説。
第二次世界大戦の戦時下を知恵と逞しさでサバイブしていく双子の少年の話なんだけど、少年二人のキャラがかなり尖っていて全く飽きないし、本の構成も相まって一気読みだった。
少年二人が日常生活での出来事を作文形式で書き残したノートという体裁を取った小説で、感情を徹底的に排し事実のみを書き連ねるという独自のルールに基づいて書いてあるのが何よりもユニーク。
事実が淡々と書かれているだけなんだけど、その事実と事実の間から戦争という時代の悲惨さ、人間の醜さ、少年ならではの純粋さが垣間見える感じが斬新で面白かった。
少年達の行動は行き過ぎていて一般的な常識からは外れた非行なんだけど、私にはどうしてもこの2人が本当の悪人には見えなかったな。
残虐性の裏に子供らしい純粋さや、彼らなりの倫理観があって、常にその軸がブレないので読んでいて気持ちいいまである。
えっっという終わり方だったので早く続き読みたい

