
読書日和
@miou-books
2025年10月26日
ネット右翼になった父
鈴木大介
読み終わった
知的好奇心が強く、母の仕事にも理解を示していた父が晩年「ネット右翼」になっていた。そして父と和解、理解する前に父は他界してしまう。
父はいつから、なぜ、ネット右翼になってしまったのか?
父は本当にネット右翼だったのか?
そもそもネトウヨの定義とは何か? 保守とは何か?
著者自体は社会的弱者、シングルマザーはLGBTQを取材し書籍も多数出版、その著者の書籍も自宅に置いているのに、なぜ自己責任論を振りかざしたりシングルマザーを父は卑下するのか?
ネタバレになってしまうけど、父の言論を家族とともに丹念に読み解いていくと、父を「ネット右翼」にしたのは自分自身だった。
叔父さんの言葉、「難しい文章がどんどん読みにくくなる。新しい考えがなかなか頭に入ってこなくなる。世の中はどんどん変わっていく。老いるということは、新しい情報を得て理解して取り入れる機能そのものが低下すること。それが70代なんだ。」「世代と年代は分けて考えてほしい」
読み進めていく中で思い起こしてすごく刺さった。
子どもや孫とワイワイできる母と、そこに加われない父親。
昭和をがむしゃらに働いてきた男性たちによくありそうな光景が目に浮かぶ。自分以外の他者について、想像力を鍛えること、そして老いていく年代と、世代は分けて考えること。
著者も著者のお父さんも、自分より少し上の世代でいろいろ考えさせられた本でした。