
mikechatoran
@mikechatoran
2025年10月26日
コンパートメントNo.6
ロサ・リクソム,
末延弘子
読み終わった
海外文学
シベリア鉄道のコンパートメントNo.6に乗り合わせたフィンランド人の少女(っていうか大学生なのだから若い女性?)とロシア人の中年労働者。旅の道連れとしては決して理想的とはいえない組み合わせ。男は粗野で下品な話をし、若い女はいたたまれずコンパートメントから時には逃げ出しつつ話を聞く。その一方で男はかいがいしく女の世話を焼きもする。そもそもこんな長距離列車に乗り込む人には誰しも多少の事情があるわけで。やがて女の中で何かが変わり始める。短い文と長い文章を組み合わせた列車のリズムのような文体も、詩のように静かなソ連の風景描写もよく、不思議と心に残る。









