1140k
@FELTz75
2025年10月26日
青い鳥、飛んだ
丸山正樹
読み終わった
audible
児童養護施設に出入りさせてもらって経験したことが今の自分の生き方を方向づけるきっかけになったと思っている。それゆえに想像できるはずなのに、個人的な顔が浮かぶだけに想像したくなくて、あえて考えないようにしていたこと。そういう自分の弱さ、軽薄さと対峙させてくれた作品。それで恥ずかしいというよりは、初心に立ち返らせてくれたことで新たな前向きな気持ちをもてた気がしている。そんなところから、タイトルが秀逸だと読み終えて思う。
弱い立場の人たちを本当の意味で救える仕組みがないこと、救うことの本質的価値が尊重されていないこと、人の尊厳を踏み躙るような言説にインセンティブがつくこと、なによりそんな社会のままであることが否定されず、あまつさえ積極的に肯定されていること。
そういうことを遠慮なく暴いていくのがさすが丸山正樹!
たぶん現実はこのフィクションよりも酷いのである。
こんな社会でいいの?という問題提起の一つの形だなと思う。
