ほせ "よだかの片想い" 2025年10月26日

ほせ
ほせ
@coffee_dog
2025年10月26日
よだかの片想い
最近気になっている作家さんなのでちょっと読んでみた。やっぱりこの人の書く恋愛が好きだなぁ。 前半の彼女が置かれている状況が刺さりすぎて辛かった。彼女ほどわかりやすいものではないけど、自分の容姿に自信がない人はとても共感できる話だと思う。自分の容姿が整っていないことは自分が一番知っているのに、いつだってその事実を知らしめてくるのは周りの反応で。周りも悪意を持っている訳ではなくて、自分の容姿が整っていないことが常識だからこそ生まれる言葉だったり、表情だったりに傷つく。無条件に人をハッとさせる美人にどうしようもなくなりたくなる時がある。誰も悪気がないからこそ行き場のなかった思いが、飛坂さんとの出会いに救われるアイコを通して救われたような気がして涙が出そうだった。 最後の展開は切なくてしょうがなかった。どちらかというと飛坂さんに感情移入した。アイコの救世主だった飛坂さんもまた、周りの常識に苦しめられている人なんだよねぇ。だからこそ惹かれ合ったんだけど…お互いに強くないから相手に自分の弱さを受け入れてくれる強さを求めていて。こんなにハッピーエンドを願った二人はいなかったかもしれない。とても心に残る一冊になりました。(画像の方じゃなくて黄色いイラストの装丁だったんだけど余韻に浸れる装丁で好きです。)
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