無重力くらげ "図書館の魔女 第一巻" 2025年10月27日

図書館の魔女 第一巻
第1巻はキリヒトとマツリカの仲が縮まっていく様子が読んでいて楽しい。『包丁の歴史』をどこに収めるか、の話とかが好きだった。印象に残るのは、やはり指話のシーンかな。いつもすました様子のマツリカが、興奮を隠せない表情になるっていうのがいいよね。その後眠ってしまったマツリカをキリヒトが背負って図書館を出る時に、無意識に指話でキリヒトを呼ぶのがまた良い。 後半の、植物園を2人で歩きながら話すシーンで、マツリカが意地悪な物言いを連発するところが好き。 『その程度のことしか想像できないんなら、いっそ想像なんてするのは止めちまった方がいいみたいだね、お前は。』 『見てきたもののことしか判らないようなら、そんな脳味噌は捨てちまうか漬物を漬けるのにでも使うがいいよ。どうせ役に立たないだろうから。』 (キリヒトの『つまらなそうですね』に対して) 『お前こそ血のめぐりが詰まってるみたいだな。』 『そんなところだけ理屈を通してどうするんだ。馬鹿なやつに限って無駄なところに理路を整えるんだから。』 『馬鹿の見本を進んで演じてみなくたっていいんだよ。』 (文庫版 p310〜p319)
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