
紙村
@kamimura_
2025年10月28日

ゆっくり歩く
小川公代
読み終わった
物語の作用は(同時に『物語化批判の哲学』を読みはじめたので思うけど)よくも悪くも強烈で魅力的で、実際の「いま・ここ」の自分を超えていくようなイメージがある。この場面で、物語はとても輝いている。物語は著者が母親に対して語る文学作品だけを指すわけではなくて、直後のアントニオ猪木も物語だし、病院帰りのロイヤルホストで偶然に発生したゆで卵サッカーも物語。やっぱり自分は、物語を信じる側にいたくて、連載小説でもそのことだけを掘り進めるように書いている。物語の力によって、他者への回路が開かれて、それは自分の傷への回路も同時に開くことである、と、思う。



