
Ryu
@dododokado
2025年10月28日

青が破れる
町屋良平
読み終わった
かつて読んだ
町屋良平をぜんぶ読み直してる
「寝室いく?」
ときかれ、「いく」と応えると半ば軽薦するような目でみる。肘の先まで腕が濡れていて、まるで少女の腕みたいだとおもう。洗いすぎて、ところどころに赤い色が点っている。
いっしょにピザをたべた日からきょうの日まで、夏澄さんのセックスは単調で、愛情のそぶりすら演じない。おれも、もはや性欲で恋情を二乗していくような振る舞いはできない。ただ、夏澄さんのつめたい腕がじょじょにあつくなっていくことを、感じたときぐらいしか、情熱、ほとばしらない。
だけどおれはこのひとがすきなんだ。
クーラーを嫌悪している夏澄さんのルールにしたがって、部屋はだんだんサウナのように蒸してくる。被さっているときにボタボタ汗を垂らしていると、「シュウキチくん、借じられないくらい汗っかきなのね」とふだんそのものの声で、夏澄さんはいう。
「シーツ、また洗わなきゃ」
おれは、弱く、「ゴメン」ともらす。
「いいの、きたないののほうが、よっぽどいやだもの」
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