青が破れる

3件の記録
Ryu@dododokado2025年10月28日読み終わったかつて読んだ町屋良平をぜんぶ読み直してる 「寝室いく?」 ときかれ、「いく」と応えると半ば軽薦するような目でみる。肘の先まで腕が濡れていて、まるで少女の腕みたいだとおもう。洗いすぎて、ところどころに赤い色が点っている。 いっしょにピザをたべた日からきょうの日まで、夏澄さんのセックスは単調で、愛情のそぶりすら演じない。おれも、もはや性欲で恋情を二乗していくような振る舞いはできない。ただ、夏澄さんのつめたい腕がじょじょにあつくなっていくことを、感じたときぐらいしか、情熱、ほとばしらない。 だけどおれはこのひとがすきなんだ。 クーラーを嫌悪している夏澄さんのルールにしたがって、部屋はだんだんサウナのように蒸してくる。被さっているときにボタボタ汗を垂らしていると、「シュウキチくん、借じられないくらい汗っかきなのね」とふだんそのものの声で、夏澄さんはいう。 「シーツ、また洗わなきゃ」 おれは、弱く、「ゴメン」ともらす。 「いいの、きたないののほうが、よっぽどいやだもの」 (24)




