
jirowcrew
@jirowcrew
2025年10月28日
セカンド・チャンス
アダム・フィリップス,
スティーブン・グリーンブラット,
河合祥一郎
かつて読んだ
「オセローやリアと異なり、自分がまちがっているのかもしれないと信じられる人だけが、セカンド・チャンスを手にできるのだ。ハムレットとマクベスは、自分を疑うという憂慮がしっかりできていたが、それだけでは足らず、さらに償いができると信じて、そうしたいと望み、ある種のいわゆる自由意志が自分にあって、たとえ懐疑的であっても、ある程度は自分の人生の作者となって実験的な選択をして、どちらにしようかと楽しめると信じる人だけが、セカンド・チャンスをつかめるのだ。セカンド・チャンスとは、つまり、私たちの懐疑心を試すものなのである。」
「自分は狂っている」という意識と、その狂気の自覚を元手に重ねる行為、それらはある状況における閉塞感を打開する。
ハムレットもマクベスも、「自分は狂っているのか?」という思考から解放された瞬間から、急に逞しくなる。そして「みずから」を楽しみ出す。
そして少なくとも、「セカンド・チャンス」をつかみたいなどとは考えていない。それから先は、何も考えていないように思える。ただ、おのずから、おのれの進みゆくままに。
