
スターガール
@yesor_yes
2025年10月28日
傷の声
齋藤塔子
読み終わった
「でも、『死にたい』は『純粋にただただ死にたい』ではなく、『生きてるのが苦しいから死にたい』のだ。裏を返せば、『生きてるのが苦しくないなら生きたい』のだ。」
「でも、ひび割れは決して元に戻ることはない。ひび割れに貼ってもらったのはあくまで絆創膏で、いつ取れてしまうともわからない。『丁寧に聴かれること』や『言葉の処方』を知ってしまったからこそ、何の倍頼関係も築けていないのに一方的に『死なない約束』を押し付けてくる人や、強い薬や隔離拘束などの強大な権力をもってして私の精神を抑え込みにかかる人など、『絆創膏を剥がしにかかる人』に出会ってしまうと、いとも簡単に絆創膏は剥がれかけ、そこからお湯が漏れて私は死にかけてしまう。絆創膏は儚げで、貼ってもらってからも自傷や自殺未遂は止まらない。」
「しかし、そうして苦しむことの権利と、苦難を乗り越える機会を奪われない権利とが保障されていてほしいと私自身が判断した。/この権利の問題は、すべての当事者に言えると断言できるかはわからない。(…)ただ、私は『判断能力のない病者』として身体拘束を受けた屈辱の原体験に立ち返った。そして、『具合の悪くなった私』『苦しんでいる私』も、『意思を持つ私』と連続性を持った人間であり続けるということこそが事実だと考えた。」