
Sanae
@sanaemizushima
2025年10月29日
読み終わった
地平10月号のどこかで紹介されていて手に取った本。
「多くの本土の者にとってはかわいそうな同情の対象でしかないという沖縄戦のとらえ方を根本的に変えたいという思いがあった」とおわりに著者は書いている。
平和学習のために沖縄に行ったことがあるものの、著者が変えたいと願うこの感情は少なからずあったように思う。読めてよかった。
軍への献身的な犠牲を強要する体制、それを教科書で「集団自決」として習ったが、今は削除されていること。
沖縄は移民経験者が多く、英語など外国語が話せるために助かった命も多くあったこと。
反対に、中国から帰って来た人は日本軍の蛮行を見ており、捕虜に取られたら米軍にひどくやられるのではないかとを話したため、日本軍の促す集団自決のプロパガンダを助長したこと。
日本軍、その中には沖縄出身者も含め書かれていること、アメリカ軍のこと。
大きな流れ、証言などの小さな声も多く書かれており、両者が合わさってボリュームがあるにもかかわらず、とてもわかりやすく読めた。
「歴史を扱う際に、それが観光と結びつくと、歴史認識を歪めてしまうことが多い。(略)負の歴史、特に日本が加害者であった歴史は消されてしまうことがしばしばある。」
これは広島在住者としていつも考えていることではある。
もっと勉強して、いつかまた沖縄に行ってみようと思う。



