
白玉庵
@shfttg
2025年10月30日
ルワンダ中央銀行総裁日記増補版
服部正也
読み終わった
好き
すごかったー。
シムシティというかシム国家を、ラバウル帰りの法学部卒の47歳が相談相手もなくルワンダでお雇い外国人としてやり抜く。
1965年って、電卓すらない世界ではないか。もちろん誰でも使えるエクセルなんてないところで、あてにならない統計をベースに鉛筆なめなめ算盤で計算して国家運営…フランス語で…。
公定外貨レートの切り下げからコーヒー生豆の買い入れ、バス路線の設定まで、シミュレーションしまくって成果を出していく。資本主義の幸福な実験。旧宗主国に搾取されていた経済を、国民経済に取り戻して国民を自立させ、幸福にする。
経済学のことは全然わからないが、胸が熱くなった。ルワンダのためにまさに馬車馬のごとく働いた記録である。
ちなみにスタートは賢治の『猫の事務所』人間バージョンで笑った。好きな人はそこだけでも読んでほしい。
増補版を読んでよかったのは、増補でその後のルワンダの状況が丁寧にキャッチアップされている点。本編を読んでいるときに「とは言ってもこのあと大変なことになって…」ともやもやしていたのが増補でカバーされる。
これが960円ってすごい。







