糸太 "生類の思想" 2025年10月29日

糸太
@itota-tboyt5
2025年10月29日
生類の思想
生類の思想
藤原辰史
生類から描きだされる世界に頷きつつも、この視点に立ったとき、実際にどう行動していけるかを、考えながら読み進めた。結局私には分からずじまいだったが、最後の章に朧げながらの道標があるように思えた。 たとえば「すでにその効力を失いつつある「人権宣言」をつくりなおすことはできないだろうか」とある。そして、作りなおすための始点は「お互いの微生物を食べ合うこと、リスクを顧みず意識的に微生物を共有しようとすることへの執念だけ」と言い切る。 フランス革命から200余年、理想に近づこうと人類は歩みを進めてきた。三歩進んで二歩下がりながらも、たえず次の一歩を踏み出してきた力は執念とも言えるだろう。 いま、ここで一度、立ち止まること。 人とは何かを改めて捉えなおし、その上で人としての在り方を世界に謳いあげること。 百年単位の未来へ。 大きな課題が突きつけられている。
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