
坊
@Bou_Books
2025年10月30日
BUTTER
柚木麻子
読み終わった
2017年出版されたもので、文庫化は2020年だと読んでいる途中で知ったが、8年経っても「女」であるが故めんどくさいこと、自分を含めた世間の目は変わっていない、それどころか悪化しているとひしひしと感じた。流行りの服やコスメに身を包む人を馬鹿にする自分、専業主婦を羨みながら妬む自分、色んな習い事がある中で料理教室に行っている人間に嫌悪感がある自分、プラスサイズモデルに痩せればいいのにと思ってしまう自分。女なのに女を敵視する自分がまさにカジマナであり読んでいて苦しかった。
そして離婚した父との関係など主人公のベースにあるもの、見るもの感じるものが自分の幼少期からの今までの経験や感情とぴったりと合わさりフラッシュバックのような体験で最後の方は数ページずつでしか読み進められなかった。
最後主人公は自分に課していたものを手放していき人と繋がりを持ちながら生活していったが、自分もそうなることができるだろうか。
この最後のパートはやはり物語であることに引き戻されるというか非現実的な着地(ある意味想像のできる綺麗な着地)であって少し残念だったかな。




