
ジクロロ
@jirowcrew
2025年10月30日
特性のない男
ローベルト・ムージル,
大川勇,
白坂彩乃
ちょっと開いた
「だからぼくは信じ、そして信じない!
いや、もしかするとぼくは信じているのかもしれない。いつか人間が一方では知性をめざましく発達させながら、他方では神秘家になることを。もしかするとぼくらのモラルは今日もう、この二つの成分に分たれているのかもしれない。数学と神秘主義に、と言ってもいいだろうか。あるいは、現実の改良とまだ見ぬ冒険に、と。」
第2巻第12章 p.351
信念を語る人間が、その最後に「もしかすると」を重ねるところ、そこに信念という概念の傍若ぶりが見てとれる。
情熱のない信念はあり得ない。
迷いのない信念に情熱はない。
追い込まれてはじめて芽吹くもの、
それがほんとうの信念であり倫理であると
いうことを。