
猫島みい子
@cestopis
2025年10月31日

うたうおばけ (講談社文庫)
くどうれいん
読み終わった
最初は「なんでれいんさんの周りにはこんなに面白いともだちだらけで、面白い出来事だらけなんだろう?」と思った。
が、読み進めるうちに、れいんさんが日常の中で他の人が見落としてしまいそうな些細なことでも、心が動いているであろうこと。そして、心が動いた瞬間を見落とさずに丹念に拾いあげていること。それらをきらきらした目で見つめていること。
だからこそ、こういったイキイキとして美しいエッセイに昇華されるのだなあと考えが変わっていった。
…と思っていたらご本人が「誰の人生にも額縁に飾りたい瞬間がある」とあとがきに書かれていた。
読み終えた今思うのは、ともだちが個性を発揮できるのはれいんさんがそういったものを思う存分出しても安心な人だからこそ。ちょっとした出来事を拾いあげる豊かな感性と、温かい人柄の合わせ技でこのエッセイは作られているのだと思った。