かいわれ "中央公論 2025年 11月..." 2025年10月31日

かいわれ
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@iskaiware
2025年10月31日
中央公論 2025年 11月号
中央公論 2025年 11月号
中央公論編集部
会田弘継さんの「リベラリズムは終わり「共通善」が台頭した」を非常に興味深く読みました。 建国以来、幾度も修正を繰り返しながらも米国を貫いていたリベラリズムがいよいよ退潮しつつある。ポストリベラルの新思潮として台頭している「共通善」は共同体重視。個人主義や自由を重視してきた米国で、日本的な「和」を重んじ、共同体規範を大切にする機運が高まっているとのことだった。 安藤馨さんの「「日本人ファースト」を法哲学で考える」も面白い論考でした。 住民税非課税世帯への給付に代表される若年世代からの収奪的な政策による再分配の失敗が世代間の分断を生んでいる。この分断はナショナルな偏向性を基盤とする利他性の毀損を招いており、ナショナリズムは高揚ではなくむしろ弱体化していると指摘。弱体化しているからこその無意識的な危機意識の現れが排外主義であるとの主張。 10月号の「陰謀論はどのように拡散したか」においても、エスタブリッシュメント化する既存政党に対し没落する中間層が国会議員を「同胞」と感じなくなっているとの論考があった。 世代間や社会階層間における分断が進みつつある世相への、書き手や編集者の危機感が伝わります。 朝日新聞の「論壇時評」で「読み応えのある論考が揃っていた」と評価されていたのも頷けました。
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