jirowcrew "夜間飛行・人間の大地" 2025年10月31日

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2025年10月31日
夜間飛行・人間の大地
夜間飛行・人間の大地
サン=テグジュペリ,
野崎歓
「どんなに目立たないことであっても、自分の役割を自覚したとき、われわれは初めて幸せになれるだろう。そのとき初めて、心穏やかに生き、心穏やかに死ぬことができるだろう。なぜなら、生に意味を与えるものは、死にも意味を与えるのだから。」 その役割の意味がどうであれ、目の前に差し出された役割に熱中させないものは、猜疑心に尽きる。 本当の意味は遅れてやってくる、しかもその遅れ方が死後レベル。 「死にも意味」とは、自分としてはその遅れのことを意味しているととる。 死ぬまでは安心ができない、だからこそ死が安心材料となるのではないか。 生きてみなければわからない、だからこそ生が安心材料となるのではないか。 生も死も、「心穏やかに」のための手段にすぎない、とするならば、大事なのは役割でも生死でもなく、心なのではないか。 おのずと推しなる唯識、阿頼耶識。 どこか著者の自己陶酔を感じてしまう文章。 ここにはどうしても不純物、つまり読者に対する「意識(わざ)」が感じられる。 それを決定づけているものが、「われわれ」に極まってる気がする。 だますなら、もすこし由々しくだましてほしい。 人間代表としてではなく、一人の人間として。 心って何だろう、今のところそれを「人間の大地」としておこう。
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