夜間飛行・人間の大地
47件の記録
jirowcrew@jirowcrew2025年10月31日かつて読んだ「どんなに目立たないことであっても、自分の役割を自覚したとき、われわれは初めて幸せになれるだろう。そのとき初めて、心穏やかに生き、心穏やかに死ぬことができるだろう。なぜなら、生に意味を与えるものは、死にも意味を与えるのだから。」 その役割の意味がどうであれ、目の前に差し出された役割に熱中させないものは、猜疑心に尽きる。 本当の意味は遅れてやってくる、しかもその遅れ方が死後レベル。 「死にも意味」とは、自分としてはその遅れのことを意味しているととる。 死ぬまでは安心ができない、だからこそ死が安心材料となるのではないか。 生きてみなければわからない、だからこそ生が安心材料となるのではないか。 生も死も、「心穏やかに」のための手段にすぎない、とするならば、大事なのは役割でも生死でもなく、心なのではないか。 おのずと推しなる唯識、阿頼耶識。 どこか著者の自己陶酔を感じてしまう文章。 ここにはどうしても不純物、つまり読者に対する「意識(わざ)」が感じられる。 それを決定づけているものが、「われわれ」に極まってる気がする。 だますなら、もすこし由々しくだましてほしい。 人間代表としてではなく、一人の人間として。 心って何だろう、今のところそれを「人間の大地」としておこう。

句読点@books_qutoten2025年10月26日読み終わった1週間くらい前に読み終わったのに感想を書いていなかった。明日の読書会に向けて思い出しながら書いてみる。 まず内容に入る以前に、久しぶりに分厚い骨太な小説を読んだ。先月の読書会で読んだ『君たちはどう生きるか』もまあまあ分厚かったが青少年向けというのもありとても読みやすくスラスラと読めたのだが、今回のは海外文学で、大人向けという感じで、なかなかスラスラ読むというわけにもいかず数日かけてじっくり読んだ。そして分厚い小説を読み終わった時の達成感がまずやはりとても良い。これは他のどの活動をしていてもなかなか味わえるものではない。深い満足感と余韻。もちろん内容が素晴らしかったことから来るのだけど、(でなければ最後まで読めない)この分厚い骨太な小説を読み終えた時の達成感がまず強かった。 内容であるが、さまざまな媒体に発表していた文章を「花束のように」(アンドレ・ジッドの助言)編んだ作品。中南米の聞き慣れない地名などが多く出てくるので最初はちょっと戸惑ったが、Googleアースを見ながら読んで臨場感を高めて読んだ。 飛行機乗りの先輩たちのエピソード。精神的貴族とはこういうことか、という人たち。やはり最初に印象に残るのは雪山で遭難したギヨメが、自分の遺体が少しでも早く発見されて妻に保険金が滞りなく支給されるように、という思いだけを頼りに極限状況の中一歩一歩歩いて、奇跡的に生還した話。100分de名著でも印象的だった。保険=アシュアランス=信頼。人間に対する責任=レスポンシビリティ=応答すること。極限状況の中で人を最後に動かすのは、やはり誰かのために、という思い。いや、やはり誰にでもできることじゃない。もう限界だからあとはもうどうにでもなれ、と思ってそのまま雪の中で眠る人が大半だろうが、そこでも最後の最後まで、自分が生きるためにではなく、妻のために、最後の力を振り絞って歩き続けたところに感動するのだ。他の動物にはできない一番人間らしい行動をしたのだ。 極限状況の中で現れる人間らしさについて、さまざまなエピソードとともに語られていく。 間に美しい夜の飛行の情景だったり、途中で降り立った街での出来事、出会った人たちとの思い出だったりも挟みながら。 やはり圧巻なのは最後、サン=テグジュペリ自身の砂漠での遭難の体験の話。四日間もの間灼熱の太陽のもとで、幻覚を見ながら、喉の渇きに耐えながら、歩き続けているその描写。こちらまで喉が渇いてくるような臨場感、唇の嫌な粘っこい感じとか色々伝わってきた。この分厚い本がそもそもじっくりじっくり、一歩一歩歩くように読まないと進まない、なかなか読み終わらない本。だけど最後にまたとうとう奇跡的に砂漠の民に出会うシーンの感動もすごい。「あなたの顔を忘れるだろう」という一見普通逆じゃないかということも、よくよく読んでいくと、そういうことか、と。人間の顔を見出したんだと。 そしてそれに続く最後の章。これがまた良い。第二次大戦に突入前夜、ポーランドに送り返される労働者の乗る列車に居合わせたサン=テグジュペリが、粘土のようになってしまった人たちの中でモーツァルトのような輝きを放つ子どもに出会う。しかしその子どもも粘土になってしまうだろうという予感。実際その後のポーランドでは人類史に残る大虐殺が待っていた。その未来を知っているからこそこのシーンは重たく響いた。しかし最後の一行にたどり着いた時に、この『人間の大地』というタイトルに見事に繋がる。本当に感動した。読み終わった、という達成感とともに、なんとも言えない余韻。 思いつくままに書き散らした。明日またみんなで読み直すのが楽しみ。



- itoori@itoori2025年10月5日テーブルに灯された小さなランプのような素朴な人々のこころと 冒険を好み刹那に生きる人々のこころと 時代に押され寡黙に責任を背負う人々のこころ そして、それら様々なこころの間を埋めながら覆い尽くし、全体を見渡すことのできないほど大きな自然 夜間飛行路を開発する郵便会社の一晩に、大いなるままならなさと、手に取ることのできる小さな手触りが偶然に、また非情に重なり、静かな夜は朝に向かって運ばれていく ーーー 「大地はわれわれ自身について、どれだけ本を読むよりも多くのことを教えてくれる。なぜなら大地はわれわれに抵抗するからだ。ひとは障害物に立ち向かうとき、自己を発見する。しかし障害物に到達するには、道具が必要だ。鉋か鋤がいる。農民は耕作を通して、自然から秘密を少しずつ奪い取る。そして農民が引き出す真実は普遍的だ。同じように、航空路線の道具である飛行機は、ひとを昔ながらのあらゆる問題に連れ戻してくれる。」




芋仁@imogine2025年9月26日買った読んでる先月購入して少しずつ読んでいます。今月初めより体調を崩しているので間が空いてしまっていますが、焦ることなくじっくり味わって着陸したいと思っています。

ハリジロウ@quetopan2025年9月26日読み終わったまだ黎明期の飛行機郵便の数々の エピソード まだ世界がこれくらいの大きさだった頃 機体が華奢な所為で 墜落しても結構無事だったり 雪山や、砂漠を彷徨ったり 読み切るのに時間が かかつたし 何回も読まないと 見えてこない世界 人間の大地

- みーた@niseumigame032025年9月6日買った堀口大學訳、山崎庸一郎訳ときて、岩波文庫から野崎歓氏の新訳登場につき購入。「100分de名著」のテキストとして買いましたが、積読。サン=テグジュペリは古びない。


ビスケットアパート@powerfulfranny2025年8月29日読み終わった「眠りに落ちながら、自分がすばらしい力を用いているような気がした。現在の世界を拒絶するという力である。体がわたしをなお安らかに保ってくれるかぎりは、腕の中に顔を埋めてしまえば、その夜を幸せな夜と分つものは何もなかった。」(353ページ) 『人間の大地』高い場所から大地を見た飛行士・サン=テグチュペリが書いた小説、哲学、エッセイが混ざったような物語 遠くまで高く、広い
文箱@hubaco2025年8月15日読み終わった@ 本の読める店fuzkue 下北沢サンテックス大好きなのに読むのは下手でいつも難儀してしまうけど、100分de名著のおかげで作家の実人生にも思いを馳せつつじっくり味わえた。久々に来られたfuzkueで読了〜!
文箱@hubaco2025年8月11日読んでる「夜間飛行」を読む。ジイドの“叙事詩”なる表現に引っ張られていたが普通にお仕事小説である。しがない勤め人(多分経営者も)の胸が痛む。しかし本当にかっこいいですね。ファビアンが漂う空の墓所の荘厳な美しさ。
かつら@katurak2025年8月8日読んでる100分de名著サン=テグジュペリの岩波文庫、一緒に収録されてる「夜間飛行」を読了。お……大人!!! 大人の小説だ〜っ!!!!! しっかり盛りあげ……そして手を離される……ビターなエンド、そして美しい……。小説がうますぎる。。。お次は本題の「人間の大地」へ。


bocca books@boccabooks2025年8月7日読み終わった今週末の読書会の課題本として読んだ。丁度100de名著でも今月の本になっていてうれしい。なかなか難しかったので、解説や読書会で他の方の感想を聞くのが楽しみ。
いま@mayonakayom222025年6月8日読み終わった100分de名著の前に読み終えたかったので毎朝少しずつ読み進めていた新訳。ただ砂漠の2章は描写に引き込まれ今日一気に読み終えてしまった。 「どんなに目立たないことであっても、自分の役割を自覚したとき、われわれは初めて幸せになれるだろう。そのとき初めて、心穏やかに生き、心穏やかに死ぬことができるだろう。なぜなら、生に意味を与えるものは、死にも意味を与えるのだから。」
しき@syiki2025年5月23日買ったどちらも新潮文庫のを持っていて、人間の大地はとても良かったなあという記憶がうっすらある。野崎歓さんの新訳ということで、もう一度読んでみようと思い購入。訳が違うと言えど同じ本を買ったのは初めてかも。しかし表紙が渋いな。

















































