はづき "海と毒薬" 2025年11月1日

はづき
はづき
@paroles1118
2025年11月1日
海と毒薬
海と毒薬
遠藤周作
以前から気になっていたけど、難解なのでは…と危惧していた本作。とても読みやすく、さらりと読めてしまいそうだけど、読めば読むほど自問自答したくなる作品だと思う。 毎日人が死んでいく戦時中、命の重み、というのがなかなか響きづらい時代だったのではと思う。そんななか、人を、自分の手で殺す。 そんなとき、私は何を思うんだろう。勝呂よりも、私は何となく戸田に近い気がしてしまう。 自分の罪が世間にばれて糾弾される、その恐怖はある。ただ……自分の中での苛責、心の痛みは感じるのだろうか。 社会性を失うわけにはいかないので、感じるふりをしているだけな気もしてしまう。 彼らのやったことを、ひどい、絶対にあってはならない、と思える人でありたかった。
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