
よね
@yone_shinmai
2025年11月1日
この世にたやすい仕事はない
津村記久子
読み終わった
少しだけ読んでその後長らく積ん読だったのはなんでだったか…と、久しぶりに手に取ったら、どこか微妙にハマりきらない主人公像や設定や展開があったからだと思い出した。
アナウンス原稿つくる話やおかきの話など、わくわくするエッセンスが要所要所で感じられる一方、主人公の雰囲気がいまいち掴みきれず、途中まで男かと思いこんで読んでたよ(おかきの話でやっと気づいた)。
“たやすい仕事”を求める主人公が、結局はそのたやすさに甘んじることなく少しずつ能動的になっていくさまは、社会の挫折からの回復や成長物語にもとれるし、割とそれもささやかに描かれているのがこの作品の味ともとれるし、なんにせよ変わったバランス感覚で構成されたお話だったなあ、という感じ。
面白かった?と聞かれたら、うん、なんか、不思議な感覚になる面白さはある、てくらいの間合いで答えると思う。
