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2025年11月1日
ファットガールをめぐる13の物語
モナ・アワド,
加藤有佳織,
日野原慶
かつて読んだ
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「小説のようにストーリーを追って聴きたいラップ・ミュージックというのがあるけれど、この翻訳、文章はラップ・ミュージックのフロウを楽しむようにも読みたい。」というのは、別の大好きな小説について書いた文章だけど、その小説を訳していた翻訳者が共訳しているこの小説の翻訳も同じようにとても素晴らしかった。物語のなかで流れる音楽にラップ・ミュージックはないし、登場人物たちも好きじゃなさそうだけど、やっぱりそんなふうに読みたいと思った。首が振れる翻訳とフロウ。世界と自分、自分と世界、それに自分と自分。その間にある拭いきれない「居心地の悪さ」、そんなコンセプトで作られた13曲入りのアルバム。という例えがあっているか分からないけれど、そんな想像をしながら読み進めていくのもしっくりきていたりもして。通して読んだ後にはまたお気に入りの一編を繰り返しリピートすると思う、これもそんな一冊になりました。
