
読書猫
@bookcat
2025年1月21日

カメオ
松永K三蔵
読み終わった
(本文抜粋)
”私は慌てて、「おいッ、おいッ!」と犬を呼んだ。ズボンのポケットに入れていたサイコロ肉を掴み出し、「おーいッ!」と手を振った。すると犬は向きを変え、こちらに向かって突進して来た。しかし私の予想を裏切って、犬はそのまま私の傍らを通り過ぎると、今度は反対側の道路に向かって駆けて行った。そうして道路の際まで来ると、またクルリと向きを変えて、また別の方向に駆けて行く。弾かれたピンボールのように、向きを変えながら、私の存在を無視し、身を顫わせながら全速力で駆け廻った。“