"ミーツ・ザ・ワールド" 2025年10月29日

そ
@__sososo10
2025年10月29日
ミーツ・ザ・ワールド
自分のあるべき姿は消えてる状態、つまり死であると告げるライと、推し活に全てを捧げ生きる理由としている由嘉里。 生に溢れた人間の「生きていてほしい」という願いは、死にたい人間にとっては非常に窮屈で身勝手だと思う一方で、人は結局誰かの幸せを願ったり、相手のことを思ったりして生きていて、願われ、思われていることを感じて生き続けているのだと思う。 二人の「生死」に対する思考はどこまでも交わることはないが、由嘉里は価値観や考えが全く違うライという人間・歌舞伎町の人々に出会ったことで、自分の殻にこもるような生活から抜け出し、世界を広げ、今の自分に必要なものを見極めることが出来た。 作中にあったオシンの「気の済むまで泣き喚いて大騒ぎしてジタバタしてればいいって。しがみつきたいだけしがみつけばいいし、すがりたいだけすがればいい。」という言葉が印象に残っている。 「孤独」や「寂しさ」を感じやすい今の時代に必要なのは、現実世界での人との心の繋がりだと実感する物語だった。 今作のライ視点の物語・言葉も読んでみたかったなあと思ったりした。
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