
きらた
@kirata
2025年4月3日
戦場のコックたち
深緑野分
読み終わった
19歳のティムは合衆国陸軍の特技兵·コックとして戦場へ赴いた
戦闘に参加しながら炊事もこなす彼は、個性豊かな仲間と支え合いながら、戦地で見つけた細やかな謎を解き明かす事で心を慰めるのだが──
ドッグタグと食器に盛られた食事が描かれた表紙(文庫版)からは、のどかな空気を感じたのだが‥
はじまりは穏やかに、しかし、章を重ねるに従って、戦争の陰惨さ、重なる戦闘で心が麻痺していくさまが見て取れ、読み手にも虚しさや苦しさがのしかかって来る
ミステリの皮を被った戦争小説と言っても間違いではないだろう
戦場と言う非日常において、僅かな休息時間に気を紛らわせられるモノは人によって様々だ
彼らにとっては“その場で起きた/聞いた謎を解く”事だった
何故彼はパラシュートを集めているのか、3トンの補給品が一晩で消失した理由、等
しかし話が進むと同時に戦闘も奥へ入り込み、謎に興じる彼等を非難する仲間も現れる
理知では割り切れない状況に居る彼等、続く極限状態、信頼と不安、変わりゆく思考
骨太で心揺さぶられる凄い作品に出会えました
最後の読み解き方の解答はなさそうなので、余韻に浸りながら“こう言う事だろうか?”と考えを巡らせて楽しみたいと思います