
きらた
@kirata
2025年2月1日
日の名残り
カズオ・イシグロ,
土屋政雄
読み終わった
第二次世界大戦が終わり、数年が経った英国で執事スティーブンスが自身の半生を振り返る
移り変る世情
休暇を利用した旅の中、彼は人生を振り返る
信念は盲信だったのか、失ったものに涙しながらも前を向くラストが美しい
愚直なまでに寄せる主人への信頼
執事として個をなげうった生活
振り返れば違う道を選ぶ事も出来た
しかし半生を振り返った彼は涙を流しながらも、選んだ生き方を貫こうと決意する
職業執事に徹した彼の半生と大英帝国の衰退が美しい、英国の景色の中で語られる非常に美しく切ない話だと思う
これが表向きの感想←?
以下は、私の妄想が入った変な感想‥と言うか、気になった点をぽつり
スティーブンスは、自分に都合の悪い事は書かない人だと感じました
読んでいると、相手に誤解(誤認)させるとの手法を何度か取っている事に気付くので、これは所謂、“信頼出来ない書き手”なのではなかろうか‥と
気になったのは“章”
プロローグ、1日目ー夜、2日目ー朝、2日目ー夜、と続いていく中、5日目が空白となっている
5日目(=金曜日)が休み、で思い浮かぶのはユダヤ教
ユダヤ教は金曜が安息日であり、また1日のはじまりは夕方(日が落ちる)からだったと記憶している(間違ってたらごめんやで)
“5日目がない、書きはじめが夜になっている”
手記の形態(っていうの?)から、スティーブンスはユダヤ教徒である(あるいはユダヤ人である)、と暗に示しているように思えます
そして、話の中にはユダヤ人の召使いを解雇するくだりがある
‥‥
‥なんだかそこには、己の立場を利用した保身の気配を感じ、スティーブンスの裏の顔が垣間見えた気になります
信頼出来ない書き手‥見せたくない面を隠している語り手‥不信感に火がつきました
他にも引っ掛かる点があり、下衆の勘繰り的な妄想が湧き上がってしまうのです
幾つか挙げてみるとこんな感じ
▼昔の同僚の話を“何でも知ってる”ようになるまで娘に語る理由は何だろうか?
▼当時、定期的に取っていた休みが不定期になった事も何かをにおわせてはいないだろうか?
▼情緒が不安定になった事も何かを示しているのではなかろうか?
そうやって妄想逞しくしながら不埓な読み方をしていくと、最初の綺麗な印象と真逆な印象が立ち上って来るのでした
同じ本なのに面白いなぁ
でも検証苦手民なので、こんな裏読みは単なる妄想の産物の可能性も高く _(:3 」∠)_
書きなぐり、失礼致しました