本屋lighthouse "失われたいくつかの物の目録" 2025年11月3日

失われたいくつかの物の目録
失われたいくつかの物の目録
ユーディット・シャランスキー,
細井直子
木場まで橋本さんと電車で移動し、私は菊川方面へ歩く。途中のバーミヤンで炭水化物を摂る。 私たちは知っている、言葉や記号の意味は変化するものだということを。長い間、並んで記された三つの点(・・・)は失われたもの、未知のものを指したが、いつしか口に出されなかったこと、言葉にしえないことをも表すようになり、削られたもの、省略されたものだけでなく、未決定のものをも示すようになった。こうして三つの点は、暗示されたことを最後まで考え、欠けているものを想像するよう促す記号となった。それは言葉にしえないことや黙殺されたこと、不快なことや卑猥なこと、有罪とされることや推測的なこと、そして省略の特別な一変種として、本源的な事柄を置き換える代替物である。(p.131)
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