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@__um__g
2025年11月4日
傲慢と善良
辻村深月
読み終わった
無自覚な善良さはある種の傲慢さを孕んでいる。誰かの為にすることは己の「正しさ」が正解だと押し付ける傲慢でしかない。婚約者の失踪の裏に隠された(誰だって経験したことあるだろう)傲慢と善良とが描かれていた作品。
知らない方が幸せなこともあるけれど、知った上でぶつけたり受け止めたりすることも大切だったりする。本作は「結婚」というのが一つのテーマだけれど、人付き合い全般で言えることだと思う。
婚約者への、子への、姉妹への、異性の友人への、あらゆるエゴが入り混じっていて不快さすら感じるけれど、どうも身に覚えがある事が多すぎて、胸の奥深い所に沁みる。




