
ちーさん。
@dokushumi12
2025年11月5日
ぼくのメジャースプーン
辻村深月
読み終わった
再読中
心に残る一節
『だけど、お母さんが言う「大人」ってつまりはそういうことなんだろうか。そうやって、笑って許すことなんだろうか。』
「人間って、絶対に他人のために泣いたりできないんだって。誰かが死んで、それで悲しくなって泣いてても、それは結局、その人がいなくなっちゃった自分のことがかわいそうで泣いてるんだって。自分のためにしか涙がでないんだって、そう書いてあった」
『器物損壊で捕まった、市川雄太が壊したもの。
うさぎの身体とその命。
ふみちゃんの心。』
『器物損壊と、動物愛護法違反。市川雄太が奪った命は人じゃない。人殺しじゃないから、刑務所に入らないで済む。うさぎの鳴き声ぐらいじゃ、どこにも届かない。』
「復讐なんていうものは、結局は心を満たしてはくれない。それでも考えられるだけ一番ひどい復讐をしようと思った時には、結局は長い時間かけて相手にできるだけ苦痛を与え、最後は殺すというやり方が一番いい。」
「彼によれば、どうしようもなく最低な犯人に馬鹿にされたという事実は、自分のために一生懸命になった人間がいること、自分がそれぐらい誰かにとってのかけがえのない存在であることを思い出すことでしか消せないんだそうです。」


