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ちーさん。
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@dokushumi12
辻村深月さんが好きです。 あとは近藤史恵さんや北山猛邦さん、河野裕さんなどざっくばらんに。 軽率にハート送りがちです。
  • 2025年9月16日
    夏の匂いがする
    夏の匂いがする
    『瑠璃色を着ていた』 どことなく漂う夏と塩素がきいたプールサイドの匂い。恋に恋した18歳、制服を着た彼女たちは間違いなく永遠だった。 瑠璃とハリの少し悲しい関係性がいい。 『植物姉妹』 自分の半分を失った黒花。 白が好きになったものを好きになろうとしていたあの頃、半分死に向かっていたのだろう。 全部知っていると思っていた白の、知らなかった部分を知って虚無感に陥る黒が切ない。 でもきっと誰にでもあるよね、だからこそ人は1人では生きられないのだと強く思うのかもしれない。 毒がいたから黒は生きられた。 心さんを透明と言った白と、黒を空気と言った毒の、当たり前に必要な存在だと同じように認識している空間がまたいい。 今のところ1番お気に入りはこの話。
  • 2025年9月16日
    夏の匂いがする
    夏の匂いがする
    『ーーねぇ白、人はみんな、半分で生まれてくるのかもしれない。 そしてその半分を、必死で埋めようとしている。』
  • 2025年9月16日
    夏の匂いがする
    夏の匂いがする
    『植物姉妹』 『人は愛されて、はじめて、愛せる。 私が白を愛していたのは、白が私を愛していたからだ。』
  • 2025年9月16日
    夏の匂いがする
    夏の匂いがする
    『だって、瑠璃はずるい。 ずっと私の隣にいたくせに、私の知らないところでいていたのだから。そして、私の知らないところで幸せになろうとしている。私はいつだって、瑠璃の傍で幸せを感じているのに。瑠璃の知らない私なんて、いないのに。』
  • 2025年9月15日
    今宵も喫茶ドードーのキッチンで。
    「だから心が雨の日、つまり疲れ果ててしまったときこそ、考え方をぐるりと変えてしまえばいいんです。発想の転換ですよ。雨はつまらない、憂鬱だ、っていう考えを、服装を変えれば雨は楽しい、愉快だ、ってね」
  • 2025年9月13日
    今宵も喫茶ドードーのキッチンで。
    「自分を取り繕ったり自慢をするのってパワーがいるんですよ。だからSNSなんかでそのパワーを真っ正面から受け止め続けるのってけっこう疲れるんじゃないかな、って。よそ見しているぐらいがちょうどいいんですよ。ほら、リスみたいにね。」 そろりさんがとてもいいキャラしてる。 ていねいな暮らししてみたいなぁと思うけど、義務みたいにいずれなってしまうのは嫌だよね。
  • 2025年9月11日
    酒に溺れた人魚姫、海の仲間を食い散らかす
    初読み作家さん。 透明書店でパッと目が合って試し読みした時、これは手に入れないと、と本気で思った。 酒飲みYouTuberの酒村ゆっけ、さんがアルコールに溺れて酩酊した世界で紡いだ不思議な世界の短編集。 無機物視点での話が多いのだけど、どれも完成度が高くてとても良い。 特にお気に入りは、「口紅の弾丸」。 女の子に買われたデパコスの口紅の視点。 不倫されていると気づきながら、 その手を話せないヒロインを幸せにするために自ら弾丸になり相手の男を撃ち抜く姿がかっこいい。 愛を知った猫、 深夜の牛丼目線の繁華街とあの子の一時、 どろどろに混ざり合ったソーダの愛の形、 ルッキズムに囚われた女の子が食べる砂糖の塊。 恋にアルコールに溺れて海の仲間を食い散らかした人形姫。 各章の終わりには、カクテルを添えているところも酒好きで好き。 この本は結構お気に入りですね。
  • 2025年9月8日
    酒に溺れた人魚姫、海の仲間を食い散らかす
    『ショートケーキの空襲』 「甘いものを食べることがぽっかりと空いた孤独の心の穴を満たしてくれる。ありとあらゆるものが欠けて穴ぼこだらけの私のことを砂糖がそらさらと補修してくれるのだ。」 ルッキズムに囚われた女の子。 あの子みたいに可愛かったら、と誰でも1度は思ったことをライトにそして残酷に描写してくる。 抉られ放題よ。
  • 2025年9月8日
    酒に溺れた人魚姫、海の仲間を食い散らかす
    『あの頃のクリームソーダ』 ただ単純に純白で綺麗な青春の話で終わるだけかと思ったらちがった。 ソーダがアイスクリームに向ける強欲が見え隠れしている。 美しい青春なんかを僕で想像するんじゃなくて、ドロドロに混ざりあった生ぬるいソーダの愛の形。
  • 2025年9月4日
    酒に溺れた人魚姫、海の仲間を食い散らかす
    『人間だったら、私は絶対ヘビースモーカーになるだろう。あの娘と同じ銘柄のタバコなんかを吸ってみようか。今みたいに逃げ道が用意されていない人生なんて、来世はごめんよ。』 深夜のOL牛丼。 牛丼目線での繁華街とあの子の様子。
  • 2025年9月3日
    酒に溺れた人魚姫、海の仲間を食い散らかす
    『僕はこの大好きだよっていう意味も感情もよくわからないかど、もし生まれ変われるなら彼女のことも大好きだよって抱きしめてあげられる存在になりたいな。 ああ、眠いな。おやすみね。』 外の世界を知らない猫。 猫目線の、尽くしてくれる女性との話。 穏やかだけど、最期の最後にほんの少しだけ愛を知った猫。
  • 2025年9月3日
    酒に溺れた人魚姫、海の仲間を食い散らかす
    『私の存在目的は強く美しい女でいるための魔法の武器であること、そして女の思いを踏みにじる悪を貫く銃弾であること。この2つだ。』 『口紅はときに、男を撃ち抜く銃になる。』 口紅を銃弾に見立てるの、とてもいい。
  • 2025年9月3日
    酒に溺れた人魚姫、海の仲間を食い散らかす
    透明書店で見つけて気になってたやつ。 紙の本がないから電子で購入。 既に口紅視点の話がスラスラ入ってきて、やっぱ読みたい時に読むべきなんだなぁと。 『ふみちゃんにとって特別なあの男は、ふみちゃんのことを特別扱いはしてくれない。会いたいと言って会えることはない。』
  • 2025年9月1日
    ライオンのおやつ
    初読み作家さん。 オススメされることが多かったからこれはそろそろ読んだ方がいいのでは、と見えない何かに背中を押されて。 ステージ4の癌になり、ホスピス「ライオンの家」で最期の時を待つ雫。 終始瀬戸内の海のように穏やかで柔らかい時が流れながらも着実に悪くなっていく身体。 そんな痛みを和らげるようにマドンナが与えてくれる優しさと、狩野姉妹の作るご飯の描写がとても良い。フルーツ粥がね、とても美味しそうなの。 タヒチくんとのデートのシーンも。 おやつを通してその人を知って、そのお菓子の先に過去を見る瞳が優しい。 マスターが亡くなった時の失った体温に触れたシーンが、亡き祖父と病室で交わした握手の記憶と重なって涙が出る。 ゆらゆら揺れるように現実と夢の狭間が曖昧になっていくみたいに、ストンと私もいつか最期を迎えられたらきっと幸せなんだろう。
  • 2025年9月1日
    ライオンのおやつ
    『おやつは、体には必要のないものかもしれませんが、おやつがあることで、人生が豊かになるのは事実です。おやつは、心の栄養、人生へのご褒美だと思っています。』 マドンナがいいキャラすぎる。
  • 2025年8月31日
    ライオンのおやつ
    『今というこの瞬間に集中していれば、過去のことでくよくよ悩むことも、未来のことに心配を巡らせることもなくなる。私の人生には、「今」しか存在しなくなる。』
  • 2025年8月28日
    ライオンのおやつ
    マスターの冷たい手に触れた雫のシーンを読んだ時ふと、生前祖父と病院で会った時に手を握られたことを思い出す。 「あったかくて柔らかいなぁ」と微笑んだその顔を見た瞬間とても泣きそうになって必死にこらえた。 今思い出しても泣いてしまいそう。 悲しいのに暖かい思い出がつられて出てきて、止まらない。
  • 2025年8月23日
    ライオンのおやつ
    『明日が来ることを当たり前に信じられることは、本当はとても幸せなことなんだなぁ、と。 そのことを知らずに生きていられる人たちは、なんて恵まれているのだろう。幸せというのは、自分が幸せであると気づくこともなく、ちょっとした不平不満をもらしながらも、平凡な毎日を送れることなのかもしれない。』
  • 2025年8月22日
    この夏の星を見る 下(2)
    楽しみにしてた下巻、読み終わった時の充足感と寂しい感情。 まだまだ彼らの物語を見ていたかった。 上巻で繋がった縁と縁の関係性が深くなり、そこから更に広がる。なんて素敵なんだろう。 コロナによりできなかった、過ごせなかった青春ある。 だけどコロナだからこそオンラインを通して結んだ天文部の縁。 各学校の生徒さん同士が発起する冬の「スターキャッチコンテスト」が一等美しい。 みんなで同じ時間に同じように空を見上げて星を掴まえる瞬間に、涙が出そう。居る場所は違くても、確実に繋がっている。 先生方も素敵な人たちばかりで、やっぱり綿引先生はずるいと思う。感情を発露させた瞬間の先生の思いに感動しないはずないじゃないか。 そして、解説が宇宙飛行士さんなのも、辻村さんらしい。 彼らの続きの物語が読めることを、心より願って。
  • 2025年8月17日
    この夏の星を見る 下(2)
    「絶対に、できてほしい。これ以上、私たちから何も奪わないでって感じ」 「コロナの年じゃなかったら、私たちはこんなふうにきっと会えなかったと思うから。どっちがいいとか悪いとか、分からないね。悪いことばかりじゃなかったと思う」 『ただ、同じ時間帯に空を見る。そのための約束をした、というただそれだけのことが、どうしてこんなに特別に思えるのか。 きっと、みんなにもわかったはずだ。 今年だから、という思いがそこに含まれていることを、はっきり感じる。』 『これくらいの特別はーーーお願い、私たちにください、』
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