成功者の味方は怠慢な他人 "イン・ザ・メガチャーチ" 2025年11月4日

イン・ザ・メガチャーチ
視野を広げる事が良いとされている世の中ではびこっている「推し活」という名の視野を狭める行為。その行為を助長させる為に働く、推し活を仕掛ける側の視野の広い人間。先述の通り視野を広げる事が良いとされている中で、仕掛ける側の視野の広い人間が孤独を感じ視野を狭めて快楽を求めてしまう姿からは、物事に正解などないのだと感じられた。 依存症を治すには別のモノに依存させるのが一番手っ取り早いという話を思い出した。結局、楽を求めている生き物である人間は皆何かにすがりたい。だからこそ例えそれが馬鹿にされたとしてもそれを信じ、身を捧げる事で、自分を保つ。 全体を読んだ感想として一番感じたのは、苦しさだった。それぞれ異なった立場でファンダムに関わっている3人の中で、自分は同い年で同じINFPの武藤澄香に特に感情移入して読んだ。澄香がファンダム経済に取り込まれる前の、親の期待に応えられていないことや周りとの意識の差に疲れ、自分が下に見ている人と話すことが楽であるという感覚が自分にも当てはまり、だからこそ現実逃避の手段として無意識のうちにファンダムにのめり込んで自信を正当化する姿に自分を置き換えてしまい、読む手が止まらなかった。 2000円
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