
jirowcrew
@jirowcrew
2025年11月6日

金閣寺
三島由紀夫
かつて読んだ
「不具者も、美貌の女も、見られることに疲れて、見られる存在であることに飽き果てて、追いつめられて、存在そのものでみかえしている。見たほうが勝ちなのだ。」
否応なしに見られるということは、他者への隷属的な奉仕。
目につく者は見られる、その当たり前をひっくり返すために、見られることを解せずに見ること。
「見られることを解せず」というのが実存的な思想であり、見られることを否定せずに肯定することから、世界をしっかりと見ることが始まる。
与えてばかりではなくなってしまう。見られる意識から逃れられない者が、自らの目によって見る意志を取り戻すとき。

