
はぐらうり
@hagurauri-books
2025年11月7日
水棲生物 水の底のアフリカ
オズヴァルド・ルワット,
大林薫
読み終わった
海外で受賞多数の本作。アフリカ・架空の国にはなっているが、同性愛が死罪に等しく、貧富と性差の格差が激しい国、と今でもどこかにある国の話。
なにかを受賞、となったときに読まねばと思ったのだと思うが、タイトルから動物ノンフィクションを想像していたらまったくの思い違いだった。
なかなか情緒の激しい主人公カトメに感情移入はできないものの、この不遇(と言って良いのかもわからない。州知事の妻)が国とか大陸固有に由来するだろうから、今ある理不尽ではあるのだろう。
日本からすると過去ではあるが、今また未来でもあるように読めてしまうので恐ろしい。
みんな水の底で生きている水棲生物。そこにもまた序列がある。映像作家である著者の初小説とのことで、末恐ろしさもある。
