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@00labo
2025年11月8日
わたしたちが光の速さで進めないなら
ユン・ジヨン,
カン・バンファ,
キム・チョヨプ
読み終わった
大人向けの寓話集。
著者と人間観が違っておもしろーい!となった。
私は「お互いを理解しようと諦めたくない」と「理解できる」の間には、コールドスリープやワームホールを使っても、とても到達しきれない距離があると考えているので。
『巡礼者たちは〜』
火の鳥の猿田博士を思い出した。
ルッキズムと自己否定の苦悩の話。やはり火の鳥はSFの入門書。
『館内紛失』
前から順に読んでいって一番SF的な設定に痺れた。
確かに本って作者の人生の一部、一面を表したもので、それを保管する場所を図書館と呼ぶなら、個人の人格を保管している実質的な墓地を図書館と呼ぶのは納得!めっちゃオシャレ!!
(次点は『わたしたちが〜』のワームホールが通ってない場所の航路は封鎖される。資本主義が健在でイラッとした)
でもオチが最後まで主人公の独りよがりでなんかイヤだった。あなたそれ自分の腹の中の子に将来言われたらどんな気持ちになるの?と。
『わたしの〜』
世間っつうのは勝手だよな!
と一番軽快に読めた。おばさんの意図を探ると言う軸がミステリー仕立てなのでたのしく読めたのかも。
ラストシーンの描写のテンポ感が映画的で、脳裏に映像が浮かぶようで気持ちが良かった。読後感も爽やか。好みだけで言えばこの話が一番好き。
自分が憧れている人、近いセンスをしていて一歩先をいっていると認識している人の行動の後に、「ちくしょー、いいとこ持ってきやがってー!」と、悔しい半分ワクワク半分の気持ちになるのを思い出した。そうやって人は自分の人生を生きていく。



