くりこ "人はなぜ自分を殺すのか" 2025年11月8日

くりこ
くりこ
@kurikomone
2025年11月8日
人はなぜ自分を殺すのか
人はなぜ自分を殺すのか
クリスティアン・リュック,
久山葉子
自殺、自殺ほう助、安楽死についてスウェーデンの精神科医が考察した本。 自殺マシン(カプセルに入りタブレットの質問に答えていくと、最終的にガスが充満し死に至らせる。こわい!)を作っている、オーストラリアの医師(彼は自殺ほう助のイーロンマスク(!)と言われている。)が、各国で安楽死のシンポジウムを開いているという事を読むと、安楽死界隈の動きは「いかに効率よく人を死なせるか」という動きにシフトしていっているように思う。 自殺というのはこの本にも書かれているように、事前に家族に嘘をつかなければならないし「死にたくない」という自分の声も裏切らないといけない一番孤立した作業である。自殺、安楽死を「死の自己決定権」という言葉で語る人がいるが、私は「社会的に作られた死」であり自己決定ではないと改めて感じた。 後半、AIを使って人をモニタリングし、自殺を防ぐ方法について書かれているが、私は、はやりのAIを駆使して人をケアする方法にあまり賛同できない。(落合洋一とか好きそう・・・。)もちろんそれで助かる側面もあるとは思うけど、私たちの体が技術で管理されればされるほど、人と人の心の距離は離れていってしまうし、自殺の背景には社会の課題が沢山あるのに個人の問題にすり替えてしまう。たとえそれで生き延びたとしても人との心のつながりがない人生はとても虚しいものであると感じる。べたな言い方だが、人と人の心のつながりを回復することが自殺者を減らし、人が本当の意味で「生きる歓び」を感じられることに繋がるのでは。
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