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@blue_27
2025年11月9日
「戦前」の正体 愛国と神話の日本近現代史
辻田真佐憲
読み終わった
読書メモ
中立な立場でこのような内容に触れてくれているためか、内容がスッと入ってきた。
「戦前と戦後が同じ77年で並んだなど、たんなる数字の遊びにすぎない。」
様々な形で神話が国の存立のために使用され、国、国民、軍部、それぞれの立場が神話をいいように解釈する。
これにより、戦時中の日本・現在の日本が存在する。
明治神宮外苑の再開発にも触れられていた。
筆者は、物語の全体像を理解せずに、めさきの運動やSNSの流行りに対して批判することで、矛盾をきたしているのだという。
たしかに、昨今「なんか批判をしたい」みたいな人が多いように感じる。
それこそ、全体像を理解せず、自分の主張も持ち合わせず、なんとなく、目の前の文章や出来事にたいして、「ここが気に食わない!」と声を荒げているだけのような気がしてしまう。
そんな人にはなりたくないなと、筆者のあとがきを読んで感じた。
「戦前回帰」という言葉も耳にするようになったが、そもそも「戦前」とは何を指すのか、それを説明できる人は少ないのではないか。
「戦前」を体験している人がもう少なくなってきている時代に、なにをもって「戦前に戻った」とするのか。
体験していないからこそ、全体像の把握と、それに対して一人ひとりが考えていくことが大切なのだと感じた。