
かおり
@6kaorin5
2025年11月9日

月と六ペンス
サマセット・モーム,
William Somerset Maugham,
中野好夫
読み終わった
積読から
語り手の「僕」の語りがまだるっこしくて読み進めるのに思った以上に時間がかかったが、やっと読了。
ストリックランドの得体の知れぬ魅力というものはじわじわと私にも浸透してきた。
故郷。
ストリックランドが求め、追い、描こうとしたのは。
「はじめから決められた故郷以外の場所に生まれ」たが為に、真の自分の故郷を探していたからなのか。
タヒチという故郷に行き着くまでの道のり、葛藤は凡人である私には理解しがたい凄まじいもの。
たぶん、彼は、人間ではなく「芸術家」として生きたかった、生きた、のだろうな。
タイトルの「月と六ペンス」の「月」とは、
「人間をある意味での狂気に導く芸術的創造情熱を指すもの」
だという。
しばらくは空を見上げる度に彼を思い出しそうだ。
ちなみに「六ペンス」とは
「ストリックランドがかなぐり捨てた、くだらない世俗的因襲、絆」
らしい。


