たるたる
@miyabi
2025年11月8日
兇人邸の殺人
今村昌弘
読み終わった
小説
ミステリー
星4
オカルト
@ 自宅
『屍人荘の殺人』シリーズ三作目!
今度は廃墟遊園地で、○○○○○と。
中身はごりごり緻密な推理ものです。
兇人邸の殺人 / 今村昌弘
オカルト要素と本格的ミステリーの融合のこのシリーズ。一作目を読んだ時は事前知識がなくて非常に驚きましたが、本作も同様。
推理ものにそんなのが出て来るの?(シリーズ未読の方のために伏せます)と最初はビックリしますが、本筋のほうはガチガチの推理もの。しっかりとミステリで、トリック、ホワイダニット、フーダニットを満喫できる展開に加え、主人公たちの心情描写もしっかりとしていて、いいミステリです。
特に心情面で言えば、真犯人の気持ちも分かるし、主役の一人剣崎比留子が囚われのヒロイン状態になったことで主役たちの中に起きた心の変化も良かったです。
これがあることで、事件や登場人物たちが推理のための道具立てにならずにいます。(もちろん昔ながらの、新本格ミステリ論争で新本格ミステリを認めない方々からすると、それでもリアリティがなく人が書けてないと言われるかも知れませんが)
また途中の安楽椅子探偵論議もミステリ好きとしてはなかなか興味深かったので、全体を通しての評価はかなりいいです。
強いて難をいえば、最後の登場人物は誰?
もう少しこちらの記憶を刺激する描写が欲しかったことでしょうか(一瞬本当に誰かわからなかった)。


