ぽんぽこピッツァ2号店 "生殖記" 2025年11月10日

生殖記
生殖記
朝井リョウ
読書記257 朝井リョウのエッセイはよく読んでるけど、小説はめっっちゃ久しぶりである。 なんだかしばらく読んでいない間に、平野啓一郎みたいなスタイルになってきたな?と思った。作者の思想が登場人物によって語られているような。これはこれで好きです。 今回の語り手は人外なので、ともすれば無機質になりすぎるあまりに読んでて楽しくないみたいなことにも陥りやすいと思うのだが、彼のエッセイみたいな軽妙な語り口が、良い中和になっていた。朝井リョウの急にギャルみたいになる文章、好きです。 悲劇のようでもあり、喜劇のようでもあり、ディストピアでもあり、マジョリティの傲慢さに身をつまされる思いにもなり。人間の内面をこんなふうに書けるのは、朝井リョウしかいないなと思わされる凄い小説であった。
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