生殖記

53件の記録
本人@bo022025年11月13日読み終わったとにかく面白かった…。 Kindle Unlimitedにあったから、読んでみるかと思ったら、夢中になってもう読み終えちゃった…。 なんか、これまで決して許されないと思ってたことでも、良くも悪くも変わっていくから、自分の感情を圧し殺しすぎる必要はないよと後押ししてくれるような、前半のこれでもかというほど重たい現実に風穴を少し空けて、酸素をくれるような本だった。 これがもしかして、解放感?それとも爽やかな読了感?上手く言い表せないけれど、間違いなく心に残る、残したい本だった。 手元に残しておきたいから、本で買ってみようかな? 追記 重たい現実も観測者目線でコミカルに語ってくれるから、なんだか喜劇か『人間の生態』というテレビ番組を見ているような感じで、私にとっては読みやすかった。


ほんのうに@bk_urchin2025年11月12日読み終わった一気読みした。 共同体にバレてはいけないという本能的恐怖も、匂いが漏れないように慎重に自分を表現するうちに何が自分の本音なのか分からなくなる感覚も、初めて同じ種類の人に会ったときに、目の前の世界が開けて自分の発する言葉と内面が一致する感覚も、全部が高い解像度で記されていた。 会社という共同体に対して出稼ぎ感覚なのは尚成と同じで、うまくやって給料がもらい続けられればそれでいいと思っている。そして、出稼ぎ感覚の自分よりパフォーマンスが劣る人に対する苛立ちも正直あって、これが何なのか今まで分からなかったけど、共同体を縮小させる存在に対する本能的嫌悪感だとすると納得できる。それって出稼ぎといいながらも結局共同体の一員として役割に飲み込まれているということだ。人間すぎる〜! 尚成と颯が異なるように、カテゴライズで括れることなんて実はないのだと思う。最近出会った友達はすごく似てるけど明確に違う部分もあって、それがとてもおもしろい。他者(それも一つの共同体なんだろうか)に本音を話せると、自分の輪郭が見えてくるような感覚がある。それは自分の"しっくり"を見つけることに繋がるし、ひいては幸福感にも繋がる気がする。 マッチポンプに夢中になる尚成に恐怖を感じつつ、きみがマッチポンプしている間に、おれはおれの方法で、おれが大事にしたい共同体の中で幸せになってやるからね!って、宣言したくなるような不思議な読後感だった。






酸菜魚@suancaiyu2025年11月11日読み終わった@ 自宅Kindle Unlimitedにあったのを発見。 他の本を読んでて、気分転換のつもりで読み始めたら止まらなくて一気読み。 当事者の自分からすると刺さることばかり。 ヘテロセクシャルが多数派である社会の仕組みに、どうにか自分も貢献できますよ、って言い聞かせながら、アピールしながら生きてる気がする。 でもこれは多数派もきっと同じ。社会の拡大、発展、成長のレースに違和感を持ってしまう人はいるはず。 そして自分は会社でそういう人に対して「なんなんこいつ、やる気ないの?」とか思ってしまっている。 たぶん自分は生きる価値をそのレースに見出すことに必死だから、ダラダラ歩いてるだけの人が目についてしまうのかも。 幼少期に所属していた共同体である家庭と学校との関係性が、その後の人生における共同体への関わり方を決めるというのは、実感を伴って共感。 自分の場合は家庭が強力に作用している実感がある。自己肯定感と自尊心が強く育まれた結果、その後の社会のレースに生産性のない同性愛個体でありながらうまく参加できていると思う。 ***余談*** 224ページ 「色んなことを“してやらない”って決めて」 この部分、「ブスにならない哲学」の 「してもらっちゃいないから してあげないなんて それじゃ愛なんて絶対 生まれないんじゃない」 が思い出された。笑 ハロオタの朝井リョウも同じこと連想したかな……?





イロハ@iroha_mellow2025年11月11日読み終わった読み終えてまず、これは感想をまとめるのが難しいぞと思った 多様な生物の生殖器に宿った経験のある「尚成」が、ヒトのおかしなところ(生態、社会)について幅広く語っているため、切り口やまとめ方に迷うのだ 尚成、斬り込みすぎ〜!(※終始このテンションで語ってくれます) 印象的だったのは、全編を通して言及される発展ベースの社会の生きづらさだ 他の生き物と違い、なにかを生み出したり、進化させたり、改善することを常に要求される社会 本来、ただ生まれただけで(次の個体を生み出せればラッキーくらい)、その命の目的は達成しているのにという尚成の嘆きに、少し救われた気がした

ぽんぽこピッツァ2号店@tamagodyeah2025年11月10日読み終わった読書記257 朝井リョウのエッセイはよく読んでるけど、小説はめっっちゃ久しぶりである。 なんだかしばらく読んでいない間に、平野啓一郎みたいなスタイルになってきたな?と思った。作者の思想が登場人物によって語られているような。これはこれで好きです。 今回の語り手は人外なので、ともすれば無機質になりすぎるあまりに読んでて楽しくないみたいなことにも陥りやすいと思うのだが、彼のエッセイみたいな軽妙な語り口が、良い中和になっていた。朝井リョウの急にギャルみたいになる文章、好きです。 悲劇のようでもあり、喜劇のようでもあり、ディストピアでもあり、マジョリティの傲慢さに身をつまされる思いにもなり。人間の内面をこんなふうに書けるのは、朝井リョウしかいないなと思わされる凄い小説であった。



- poppo@kr9721042025年3月15日同性愛者の主人公が中心に描かれている。生物における人間の在り方など一見難しいテーマではあるが、比較的読みやすいと感じた。他の生物と人間を比較したときの人間特有の思考に対して疑問を呈す場面もあるが、自身も人間は賢くなりすぎなのではと感じていたこともあったので、同意できる部分も多かった。 主人公の考え方や行動に関しては疑問に感じる部分も多く、同性愛者やマイノリティだからというわけでは無く個人因子に関する要素も大きいのではと個人的に感じた。 同じ著者である「性欲」の方が自身は面白く感じた。

みう@miu2025年3月12日かつて読んだ意味のわからない視点から語られるのが不思議すぎて、意味がわかんないんだけど、節々のセリフにグサグサ刺された。さすが浅井リョウさんという内容。 共同体から外れる感覚はその人にしかわからないだろう。簡単にインクルーシブな社会へと言えないな、、と思い知らされた。 でもインクルーシブな社会になってほしい。寄り添うってなんだろう。


☁️@mc__x_x2025年3月12日買った読み終わった久しぶりに現代作家の本を読んだ 現実での出来事に触れることも多くて没入しやすかった 以下微ネタバレ 尚成の内側の変化が必ずしも表出している訳では無いけど語り手が良かったねと言える閉じ方で良かった、人間の心の在り方や変化って必ず他者から観測できるものではないと思うからそういう意味で現実的で納得感があった 作中に散らばっている引っかかりの全てがきちんと丸く収まってるわけじゃないけど、それもまた現実的という印象、これからも尚成の人生は続いていくんだな~ それとこの話を読んでこんな感想は物凄く野暮かもしれないけど、尚成って話し言葉はすごく女性的(一人称だけでなく語尾も)だったけどどういう容姿をしてどういう仕草をしてどういう声のトーンなのかなとすごく気になった 言葉から感じる女性性には誰も触れず、周りは男性と扱っていて、では第三者の人間から見た尚成ってどんな感じなんだろう?





























