um "世界99 下" 2025年11月10日

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2025年11月10日
世界99 下
世界99 下
村田沙耶香
出産、育児、家事、仕事。それらは人の営みの一部だけれど、視点を変えれば誰かの便利道具として都合よく消費されてるようにも捉えられる。また作中では女性が搾取される側として描かれているけれど、性別に関わらず性的搾取される危険性は常に潜んでいる。そんな現代社会、(望んで生まれたわけじゃないのに)死ぬまで続く"地獄"。誰かが何かが代わってくれたらどれだけ良いだろうか、と考えずにはいられない。 人々の感情や思考がある限り分断も差別も搾取も続く。儀式によってリセットされても時が経てばまた生まれてくる。だから"調合"してしまったのではないか。 今、私は、自分の喜怒哀楽(何かに影響されてチューニングした感情かもしれないけれど、自分の感情だと信じてる気持ち)を感じているけれど、起伏を感じずにフラットな世界だったらもっと幸せに暮らせるだろうか。作品の行き着く先は、ディストピアの中に救いを求めた結果かもしれない。 上巻に続いて吐き気がする。しんどい。
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