
harami
@msk406
2025年10月27日
普及版 世界の紙を巡る旅
浪江由唯
旅行記が読みたい、と感じていた10月下旬。天神産紙工場でみつけたぴったりすぎる本。身近な人すぎて盲点だった。旅とは何なのか、何のために向かうのか、ということに興味があって、ここでは浪江さんの考えに触れられた。紙というひとつのテーマに沿って世界を巡るのは観光というより暮らしや人々の営み、ものづくりに焦点が当てられている。それは今の自分の価値観、立ち位置を再確認してアップデートすることにもつながるんだろう。旅先のハレではないケの日々を見つめることは自分の暮らしを振り返るきっかけにもなると思う。
“旅”と聞くと新たな視点や気づきを得られるもの、という崇高なイメージが苦手だった。海外なんて特にそう。行って何かを持ち帰らなければ意味はないのでは、と勝手にプレッシャーを感じていた。行ったこともないのに。そういうコンプレックスをこの本を読んで少しも感じないと言えば嘘になる。
自分は何をしたいのか、何を得たいのか、その欲望を正面から受け止めて行動に移す、その結果からしか見えない景色がある。何も変わらなくても間違いでも何でもない、また他のことをしてみたらいいだけ、そんな潔さが必要だと思う。旅に出る前の心境はそんなに深掘りされてなかったけど、一年もかけて巡る旅への想いはどんなだろう、と気になった。