やえしたみえ "星の王子さま" 2025年11月7日

星の王子さま
星の王子さま
サン=テグジュペリ,
倉橋由美子
実は初めて読んだ。暖かい文章、こういうの大好き。 王子さまにとってバラが特別で、特別で、かけがえのない存在だったことに気付かされるシーンが愛おしい。有名な「大切なものは、目に見えない」という文章は知ってたけど、それが「秘密」という形で教えられるのがなんとも幻想的で、説教くさくない、この世の神秘、宝物を子供たちが共有する具合のきらめきがあってよい。 何かを愛したとき、それを思い出す全てが愛おしくなるあの気持ち、最終的に世界中全部が愛おしくなるぐらいのあの、永遠の離別による置き土産。献辞に登場する「レオン・ヴェルト」は実在の人物で、ユダヤ人だったためにナチスの弾圧から逃れ隠れ住むことを余儀なくされていたようなのだが、それを考えると、この星のどこかに愛しい誰かやその痕跡があると皆が知り、それを何よりも愛せたら、如何に戦争が愚かな行為であるかわかりそうなものなのに、というメッセージも勝手ながら感じる。砂漠が、夜空が、愛おしく感じるように、人類は皆外に出て歩き出さなければいけないのではないだろうか。めいめいの知らないことをひとつ知り、親しむために。 異邦人読んでたら離人感悪化したから他の本読んで調整しよう!と思ったけどこれも割と離人感悪化する文章だった気がする、王子さまとの不思議な邂逅に脳みそが持っていかれてしまう
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